ホーム勤務の思い出千歳基地(北海道千歳市)その2

千歳基地(北海道千歳市)その2

千歳基地勤務時代(平成19年9月~平成21年3月)の思い出【後半】

着任から、ちょうど1年:9月1日(月)

 もう1年も経過。何とか持ったというのが実感。
 
 これは、もちろん基地隊員と地域協力者の方々のおかげであり、感謝の念で一杯。

 明日から2年目、基地運営のさらなる高みを目指し職務に精励するのみ!

今年も「ガーデン・パーティ」を催しました:9月5日(金)

 今日は、当基地の「ガーデン・パーティ」の日。この1年間の基地運営に関して協力していただいた方々に対する謝恩を目的に催す年中行事のひとつです。

 この1年を振り返ってみますと、昨年の基地創立50周年から今年の千歳市制50周年の足かけ2年は、まさに大きな節目にふさわしい成果を収めることが出来たようです。

 幸いにして大事故等により基地活動が滞るような事態は発生していません。順境の中で、各種大会、行事での多大な成果を通じて、当基地の存在を内外にアピールできているものと思います。

千歳市制50周年記念式典に出席して気づいたこと:9月7日(日)

 市民文化センターで催された市制50周年の記念式典に出席させていただきました。
 陸自の勇壮な和太鼓の演奏、千歳ゆかりの伝統芸能に始まり、小中学生の優秀作文の表彰と朗読、千歳市の今昔映像等、印象に残るプログラムでした。

 来月、私は誕生日を迎え50歳となります。千歳が市制を営みだした年に生まれたので、言ってみれば千歳市とは同じ年だと言うことに気がつきました。
 巡り合わせとはいえ、縁なるものを感じずにはいられません。この街には。

晴天のもと、千歳・長崎県人会の催しに参加:9月13日(土)

 駒里にお住まいの長崎出身の方が所有されている畑で、朝9時から約20名で2時間ほどかけて、「じゃがいも」の収穫に汗を流しました。
 千歳・長崎県人会の恒例行事のようにお聞きしています。遠くは旭川から参加された方、小さいお子さん連れの家族など、とてもアットホームな感じです。

 実は、今春にはほぼ同じメンバーで種芋の植え付けを行っていたもので、私もこの日の収穫を楽しみに待っていました。

 二日後に、自ら掘り起こした「キタアカリ」を電子レンジで温めて食べてみました。小振りですが美味しかったです。ただし、その時点でも足腰は筋肉痛でした。

事故の連鎖に填らぬためにも(基地朝礼より)・・・:9月16日(火)

 「千歳基地の将来展望」、いわゆる基地のビジョンの中で示しています組織理念のひとつに、「隊員個々の尊重」という項目があります。

 自衛隊は階級社会ですので、私達の行動は命令と服従が基本。その上で隊員が心からお互いに尊び、信頼し合うことが出来れば、一層の団結強化が図れ、使命の完遂に結びつくはず。
 この思いから選定したわけです。現在、理念だのビジョンだのと平素聞き慣れない言葉を、なんとか基地隊員の中に浸透させようと奮闘している最中です。

 これ自体も、最近空自内で起こっている各種事故の連鎖に填らない、巻き込まれない予防策のひとつと考えてのことです。

今年の航空救難団戦技競技会は千歳で開催:9月23日(火)

 いまや救難団・救難隊は、空自にあって最も国民の視線と脚光を浴びる部隊のひとつです。
 その部隊の戦技競技会(戦競)を間近にすることが出来るのは、私をはじめ千歳基地所在隊員にとって大変光栄なことです。

 明日から競技に対して可能な限りの支援・協力を惜しまないつもりです。
 競技会を通じて私たちは多くの恩恵を被ることが出来ます。その最たるものが、競技会醸し出す、ピリッとした緊迫した雰囲気が、この基地に所在する12個部隊の隊務運営にとても良い影響を与えてくれることです。

 各部隊の戦競選手が、総合優勝という頂点目指し、しのぎを削り、悔いのない戦いを全力で挑むことを期待しています。

基地硬式野球部の今年の活動を打ち上げました!:9月26日(金)

 今シーズンの戦績(練習試合を含む)は、39戦13勝23敗3分。ただし、千歳同夢会(主に地域協力者の方々で構成)発足の趣旨である都市対抗野球北海道地区予選では、創立以来初の決勝進出を果たし、JR北海道に敗れたとはいえ、大躍進でした。

 基地内の野球部支援態勢についても、基地同夢会を今年5月に設立、8月には第2航空団副司令に基地野球部の先輩である森田1等空佐を迎え、充実・強化することができました。

 来年は、千歳同夢会発足10周年の記念すべき年にあたります。来年11月12日、同会の発足記念日にイベントを催し、「(その年の)東京ドームでの戦いぶりに興ずることができるといいな」というのが、まさに私達の切なる願い、「夢」です。

千歳基地幹部会主催で余市、小樽へバス旅行:9月27日(土)

 大型バス2台を借り上げての基地幹部会秋季リクリエーション。今年は余市の果樹園で秋の味覚がり、小樽ではメインストリートの散策でした。バスでの移動中に少し雨に降られた以外は、天気に恵まれ北海道の秋をのんびり、ゆっくり楽しみました。

 若い幹部自衛官主体の家族連れに混じって、いろんな果物(林檎、葡萄、プルーン、洋なし)に舌鼓を打ち、ジンギスカンでお腹を満たすなど、久しぶりに心身共にとても充実した休日を送ることができました。

 飛行群司令が小樽で娘さんのためにオルゴールを購入したことを聞いて、その夜は私も家族に長電話してしまいました。

若き操縦者達の切なる思い:10月3日(金)

 空自戦闘機操縦者を希望する若人が少なくなってきているという話を内外から耳にするようになって久しい。早くから当基地でも、募集の観点から単独あるいは他機関等と連携して当該操縦者確保のための施策を打ち出しています。

 このことに関連して、この二日間、飛行隊で勤務する20代操縦者に対して志望動機や現在の心境などを聞いてみました。
 そうすると、彼らは一様に「空への憧れ」をもって入隊し、操縦者資格を得た今はさらに上位の飛行資格を獲得することに夢中であることがわかりました。

 このことからも、まだまだ組織は戦闘機操縦者確保のためのPRが十分でないようです。であれば、私がやるべきことは自衛隊以外の方に戦闘機操縦者の練成訓練状況や心境などの実態を正しくお知らせすることです。

2空団表芸(対空機関砲射撃訓練)で久しぶりの快挙!:10月8日(水)

 これまで2空団は各種大会等で優秀な成績を収めています。ですが、戦技競技会となると着任以降、芳しくありませんでした。
 
 ようやく、今回平成20年度基地防空部隊年次射撃(VADS)訓練(前段の分)の中で「年次射撃トップVADS(Valcan Air Defense System)」という航空総隊司令官が新設された賞を、当団隊員が受賞しました。

 快挙を成し遂げたのが装備隊の中村士長です。
これで行き足がついて、12月基地防空隊戦技競技会における千歳基地チームの優勝につながればと密かに期待しています。

 こうして軽度(?)のプレッシャーを選手にかけておくことも必要だと思うのですが、どうでしょうか。

殉職隊員の現地慰霊式に参列:10月5日(日)

 平成6年10月5日、百里基地(茨城)・偵察航空隊所属のRF4が北海道東方沖地震による八戸から襟裳の間の海岸線の被害状況の偵察任務遂行中、道南・静狩峠に墜落。

 この事故で同胞の2名が殉職。その前席が私の同期生でした。事故現場の最寄り空自基地である八雲分屯基地は、もう十年以上にわたり毎年6月頃、現地での殉職隊員慰霊祭を行っています。

 今回は
分屯基地司令が夏に交代、現地視察を兼ねて実施されたものです。この式典に私が同期生・代表として、また当時場外救難にあたった千歳基地の司令として、参列しました。当日は天候もよく、眼下に噴火湾を見渡すことができました。
 
 風雪の影響だと推察しますが、今年も機体の部品を新たに発見しました。参列した隊員と共に、御霊の供養と任務にあたる自衛隊員の加護を祈念した次第です。

遊楽部岳(ゆうらっぷだけ)にて悲涙:10月16日(木)

 千歳救難隊の配慮のおかげで十年以上前からの「ある思い」を遂げることができました。

 平成6年12月2日救急患者空輸の任務を受け一路奥尻島へ向かっていた千歳救難隊のヘリが道南・悠楽部岳(標高1276㍍)の尾根付近で墜落、5名の搭乗員が殉職するという出来事がありました。

 その事故から3年後、私は現場に最も近い空自・八雲分屯基地に同基地司令として着任。それ以来、現地での慰霊を望んでいました。現場は急峻な山頂付近でとても陸路からの接近は不可能だったからです。

 そして今日、救難隊の取り計らいで、私は現・八雲分屯基地司令及び関係隊員と共に救難ヘリで現場まで空路進出して現場にて慰霊することができたわけです。

 事故当時の詳しいことを私は知りません。が、供花等の際には御霊のことを思うと自然と涙が流れてきました。「永久に安らかなれ、隊員を加護されん」と祈念し現場を後にしました。
 上空から見る周辺山系等は紅葉していて何とも印象深い半日となりました。

燃料高騰の影響がここにも!:10月17日(金)

 ガソリン価格が少しずつ低下している中で、予算の関連もあるのですが、基地内で使用する重油の入荷量が、従来に比して大幅に減少します。
 居住施設及び体育館等での暖房、入浴時間を制限することにしました。

 そこで、特に営内者の生活について従来より快適性が損なわれる可能性があります。
 自衛官の6大義務のひとつ「指定場所に居住する義務」のもと、営内居住している隊員こそが、態勢移行や不測事態等のいわゆる即応を要する事態のための人的戦力だと言いつつも、十分な生活環境を提供しえないことに対して基地司令として悩ましく思っています。

 当面の措置としてはやむを得ませんが、厳冬期が近いこともあり、一日も早くこうした状況を改善したいと思います。

千歳基地にライブハウス?:10月23日(木)

 基地内に「厚生センター」と称する建物があります。その中には、部隊の事務所のほか、各種売店、クリーニング及び理髪店、トレーニング・ルームが整備されています。
 また、1階のかなりのスペースを休憩エリアなどとして提供隊員や来訪者の方々に楽しんでもらっています。

 今日、そのエリアを利用して基地隊員を主体としてライブ・コンサートが行われました。
 今回で4回目ですが、よりリラックスした中でジャズ、フォーク、ポップスなどの音楽を堪能してもらうために、飲酒の許可をとりました。5グループ、総勢15名の出演者が日頃の腕前を発揮。

 あっという間の2時間でとても盛況でした。もちろん、私も生ビールX3,焼酎X1をゆっくり(?)味わいながら心地よく聴かせてもらいました。次回も期待!

支笏湖マラソン大会及び行事を終えて:11月2日(月)

 幸いにして、大会3日間は概ね天候に恵まれ、ひとりの事故者も出さず終了することができました。基地司令としては今大会について3つの所見を持っています。

 一つ目は、2空団の大会から基地の大会に躍進したこと。基地所在隊の理解を得て大会を拡大でき、またひとつ基地ビジョンの実現を可能にしたものと実感しています。

 二つ目は、いわゆる親基地・子基地の関係になる長沼分屯基地の隊員が多く参加してくれたこと。今回、親子基地で一つの大会を運営できたことはまさに画期的であったと評価しています。

 三つ目は、安全に対する配慮が適切であったこと。この点では企画・立案した隊員、大会の諸準備並びに撤収に当たった隊員、計時、監視、記録、救護等の各係を担当した隊員に心から感謝します。ありがとう。

徒手格闘選手要員の気迫に圧倒されました:11月12日(水)

 今月末、開催予定の北空選手選考会に向けて2空団選手要員が長沼分屯基地・体育館で猛練習のところを見学に出かけました。(手前味噌と、素人判断で恐縮ですが、)

 2か月前とは、気合い、技の切れ味、何よりも気迫が見違えるほどに向上しており驚きでした。指導に当たる隊員の優れた“心技体”の為せるところというのはよく理解できます。

 しかし、若い彼らがここまで積極的に取り組む姿勢にはそれ以上の何かがありそうです。空自大会で入賞した暁には、ぜひ選手に問いかけてみたくて仕方ありません。今から楽しみです。

10年ぶりの長沼分屯基地訪問となりました(前項との関連):11月12日(水)

 私が10年ほど前に八雲分屯基地(道南に所在)の司令職に付いていた折に、長沼分屯基地を一度だけ訪れる機会がありました。

 当時、同分屯基地司令は私の同期生でした。この点で、今回の訪問はとても懐かしかったです。

 その一方で、長沼の象徴でもあった「ハイパー・レーダー」(捜索レーダーの一種)が解体されていたことで感傷的になったことと、先述の同期生が昨年現役自衛官のまま病没したことに、哀惜の念に堪えませんでした。

基地防空隊戦技競技会、主催基地での優勝を期待!:11月15日(土)

 戦競“必勝を目指し、昼夜特訓の2防隊員。

 他群支援要員もこれに追走。

 実力向上するも決して気を緩めることなかれ、「戦機一瞬 常備不断」!

家族の存在は隊員による任務遂行上の大きな支え:11月17日(月)

 自衛隊法の「服務の本旨」中に、『隊員は、・・・事に臨んでは危険を顧みず・・・』という下りがあります。
 このことからも、隊員の家族は平素の業務や訓練においても隊員の身を案ずることが多いと思います。また、これは夫婦などの絆を強くすることにもつながっていることでしょう。 

 先々月、そして先週と隊員の奥様が不慮の事故で早逝されました。
 告別式等において隊員の慟哭などを耳にするにつけ、いかに隊員にとって家族が心の支えであり、任務遂行上の大きな力であるかを悲涙しながらも痛感した次第です。
 
 来期、可能ならば家族を基地に招いて部隊の活動ぶりなどを説明してみようかと思っています。 
 そのことで家族の方々に隊員に対するさらなる心の支えとなってもらい、隊員にあってはさらなる家族の信頼と理解のもと一層職務に邁進してもらえればと考えてのことです。

飛行隊を出迎える度に・・・:11月18日(火)

 基地所属の飛行隊が、今回は自衛隊演習に伴い西日本にしばらく移動していました。
 彼らが母基地である千歳を離れていると、部下隊員の生活環境や健康
状態が、どうしてもいつも以上に気になってしまいます。

 その彼らが編隊を組んで次々に滑走路に舞い降りてくる様を見て、今日も歓喜と安堵の気持ちで一杯になりました。航空団司令という立場にあることを名誉に、そして誇らしげに感じる瞬間でした。

 さて、移動先から後発の隊員が30分後に輸送機で帰隊してきます。きっと寒さに震え上がることでしょう。これから出迎えることにします。

異動時期の隊務については、気持ちの引き締めがいつも以上に必要:12月1日(月)

 毎年この時期は幹部の異動が行われます。「指揮官交代時に事故あり」とよく言われることもあり、各種事故の予防、回避するために私自身はもちろんのこと機会あるごとに隊員にも気持ちの引き締めを促しています。 

 当基地でも、今年月に行われた洞爺湖サミットの支援活動に関して、準備段階から協力し合ってきた所在の部隊長名が交代になります。
 彼らのサミット支援にかかわる努力を知る者のひとりとして感慨深いものがあります。

 これらを思い出としながらも、また新たな部隊長を迎え気持ちを引き締め隊務に当たっていきます。

今年も基地除雪隊を編成する時期を迎えました:12月1日(月)

 の期間にあってこの千歳基地の諸機能を維持、確保する上で、最も重要な任務を負う部隊を今日編成しました。

 千歳基地の組織理念である「基地の戦力基盤確保」、これは基地全隊員の変わらない、そして変えてはならない価値観であると同時に、この基地除雪隊の使命でもあります。

 降雪時期においては、基地に所在する12個部隊による任務遂行と、基地所在の全隊員の安全は彼らの手の中にあるようなものです。
 特に、ヒューマン・エラーを回避し地上安全を確保しつつ、昨年同様に完璧な任務を達成してもらうことを切望しています。

英語能力の向上を実感!:12月4日(木)

 航空自衛隊では年明けに英語弁論大会を三沢基地で実施するように計画しています。
 その方面隊レベルの予選が三沢で開催され聴講することができました。

 教育の成果や自学研鑽等により、英語に堪能な隊員が本当に多くなったものだと感心します。
 特に空曹士の活躍が目立っていたのが印象的でした。

 私自身、部下の指導や自らの業務のためにも一層の英語力を磨く必要性をあらためて痛感。とりあえず啓発をと思い立ち、先月TOEICを受検してみました。結果が楽しみです。

訓練に先立ちウエルカムパーティを主催!:12月8日(月)

 千歳で実施する訓練移転に伴う日米共同訓練は2度目。
 今回は、日米双方の訓練参加者に対し訓練開始に先立ちアイスブレーキングを主な目的としたパーティを企画、開催しました。

 パーティ中は、特段のイベントは行わず、相互理解のためのコミュニケーションの場に徹しました。千歳基地周辺の方々にも参加いただき、地域交流にもわずかではありますが寄与できたのではないかと思います。

願いを込めて餅をつきます:12月12日(金)

 年内最後の基地行事として餅つきを行いました。日本人はそもそも餅を食することで、神の霊力を体内に迎え生命力の再生や補強を願ったと言われているようです。
 今年は昨年末の餅つき効果でしょうか、基地での各種大会及び行事等はすべて順調で良好な結果を得ることができました。

 来年も多大な成果を期待しつつ、私は次の二つのことを願って餅をつくことにします。
 千歳基地の組織理念のうち、①基地所在隊(12個隊)間の相互協力②地域と基地の共存共栄です。来年も基地にとって良い年でありますように!

訓練移転に伴う日米共同訓練は無事終了:12月15日(月)

 天候に恵まれほぼ計画どおりに訓練が終了した今、大変安堵しています。

 訓練自体が互いの実力向上に役だったことはもちろんですが、今春米国での日米共同演習に飛行隊の一部が参加した際、現地米軍からいろんな面で配慮してもらったことに対してその礼がわずかでもできたと思っています。

 また、来年早々予定している三沢基地の米軍人と千歳基地隊員との人的交流プログラムにとっても良いきっかけとなったはずです。

基地防空隊、今年度戦技競技会で激闘!:12月17日(水)

 全国の基地防空隊から競技のために千歳に集まった精鋭達。結果として沖縄の部隊が見事な成績で優勝しました。
 地元の千歳チームは、昼夜を分かたず休みも返上して勝利を信じ猛特訓してきましたが、今回は涙をのみました。

 基地防空隊の事業等にかかわった経験があるだけに、私はこの部隊に特別な思い入れがあります。そのために選手達にプレッシャーをかけ過ぎたのが敗因だと猛省しています。

 当部隊はもう来年度の勝利に向け構想を練りだしていることでしょうが、まずは心身ともに疲れを癒してもらいたいと思います。ご苦労様。

平成21年、明けましておめでとうございます。:平成21年1月7日(水)

 新年を迎え基地に所属する隊員は、公私共に新たな目標、期待とそれらを実現するための決意を図ったことと思います。
 また、基地に所在する12個部隊、それぞれも任務の完遂を祈念しています。

 私自身は、基地司令として昨年の夏に作成した「千歳基地のビジョン」にかかる事業の推進と基地の健全な運営に一層取り組むことを、年頭に当たり誓った次第です。

 そのビジョンについては、基地新聞新年号や当ホームページ上の「年頭の辞」の一部に要約を掲載しました。
 総合安全保障の重要分野である経済、外交等の各種情勢が必ずしも安定しているとは言い難い今日、我が国安全保障の一翼を担う実力組織の一員として、私をはじめ千歳基地隊員は「北の空 守ります これからも」をモットーに職務に精励していきます。

さらにやる気になった言葉:平成21年1月8日(木)

 私は職業柄、短時間の用務で基地の外へ出かけることがしばしばあります。こうした際には、警衛隊長(基地警備を担当する隊員の長(勤務者は毎日交代します))が敬礼のうえ、一般的には「服務中異常なし!」(現在、警備勤務上の問題はありませんとの意味)と報告して送迎することになっています。

 それが昨日は違っていました。彼(警衛隊長)は微笑みながら『お帰りなさい』という言葉で出張から帰隊した私を迎えてくれました。
 実は、私は出張等で基地外に出るときは『行ってきます』『ただいま』と言うことにしています。

 しかし、先の言葉をかけられたのは着任以来はじめてで、何かしら温かいものに包まれた感じがし、次に隊員や基地運営のためにさらに尽力しようというやる気が湧いたのです。

 言葉というのは本当に大切なものです。このことにあらためて気づかせてくれた当該隊員に感謝!

今年も来ましたノルディックのシーズンが・・・:平成21年1月13日(火)

 今年の2空団のスキー大会は、来月13日に決定。個人的には、去年よりも良い成績を目指し今日から練習開始。

 2年目の練習で変わったことと言えば、私が着用するラグビー用ヘッドギア(転倒時の頭部保護のため)に驚く隊員が少なくなったような気がするくらいでしょうか。

 一方で変わらないのは、板と調子に‘乗れない’こと。颯爽と私を追い越していく部下達が羨ましいです。ちなみに去年の大会では司令部第1走者として出走、15チームのうち後ろから数えて2番目でした。

冬季、滑走路を使用するために何としても・・・:平成21年1月14日(水)

 今年も除雪車の同乗を志願したところ、飛行場除雪隊長・片桐2佐はHTR(重除雪車:放雪というのが主な役割の車両)を選択。
 この日は、硫黄島で飛行訓練を行うF-15型機の編隊を千歳から送り出す計画でした。ですが、前夜からの大雪で滑走路使用の除雪作業は時間との勝負。

 このため基地除雪隊は機械力も人力も総動員。除雪車両のドライバーは、一度出動すると3~4時間は活動しっぱなしの状態になり、彼等にとっては時間的制約の中で疲労と緊張が襲う苛酷な任務です。

 その仕事の真最中に助手席から質問する私に適切に答えてくれた東山3曹、本当に有り難う!

成人を迎えた若き隊員が「明るい希望」を見出すために:平成21年1月16日(金)

 基地新成人祝賀会に先立って、インターネットで成人式の起源を調べてみると、当時の趣旨は「次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ます」こととありました。

 基地司令として、成人した隊員をはじめ、いわゆる若き隊員に対して、「明るい希望を持たせる」という点では、昨年の夏に作成した『千歳基地の将来展望(理念とビジョン)』をもって、この基地で勤務するにあたり将来進むべき方向を指し示すことができたと自負しています。ただし、隊員に対する浸透はまだまだこれからだと思います。

 一方、「励ます」という点では、若き隊員と課業の内外を問わず接する機会を作為して、彼等・彼女等の気持ちを理解し尊重するために、積極的かつ直接会話することに努めてきたつもりですし、これからもこの姿勢は貫きたいと思います。

 成人した隊員諸官、これを機に今一度基地のビジョンを紐解き、基地所属隊員の一人として達成すべき目標を確かめ追求してみてはどうでしょうか。
 このことができてこそ、個人の「明るい希望」が見出せるのではないでしょうか。

小学生とはいえ、なかなかの技量です:平成21年1月17日(土)

 今年、4回目となる千歳基地杯・少年フットサル大会を基地内の体育館で催しました。決勝戦は点の取り合いによるシーソーゲーム。最終的には1点差で大変見応えがあり、観客一同大盛り上がりでした。 

 参加チームは小学校高学年が主体で、パス、ドリブル、シュート、ボール・キーピングなどのテクニック及びチームワークは、相当なレベルで、私もつい歓喜をあげるほど魅了されました。
 
 今日の選手達の中には、将来きっと航空作戦遂行の場において、すばらしい技能、堅い団結力を発揮してくれる少年が少なからずいてくれるでしょう。

この時期、自分の心と向き合ってみよう(団朝礼の挨拶より):平成21年1月23日(金)

 団は、年明けから運営全般にわたり順調な‘離陸’ができました。部下隊員個々の自覚と心構えのおかげだと感謝。
 この先も安定した速度、高度で、定められた針路を全員一丸となって突き進んでいきましょう。
 

 こうした状況にあって年末年始休暇が終了するこの時期、今一度自分自身の心と向き合い、心の内の再点検を望みます。
多くの人は、心の内に大なり小なり悩みを持つもの。私自身もそのひとり。
 
 しかし、その悩みをコントロールできているからこそ、社会や部隊の秩序を守りつつ、仕事での達成感や生活での幸福感が得られるのだと思います。

 もし、自らコントロールできそうもない深刻な悩みや悩みかどうか判断できない心理状態にある気が少しでもするのならば、カウンセリングの利用や同僚、友人・知人等に勇気をもって相談してみてはいかがでしょうか。

地域との共生に役立つことも考えて・・・:平成21年1月26日(月)

 昨年、この基地は、アラスカでの日米共同演習に参加、北海道洞爺湖サミット開催時の米国大統領専用機である「エアフォース・ワン」及び「マリン・ワン」の受け入れ・運用支援、2回の訓練移転に伴う日米共同訓練と、任務を通じて米軍との親交を深める機会がありました。

 今年は、来月から米軍三沢基地・下士官(と千歳基地の准曹士)との交流を、夏以降には米軍野球チームと基地野球部との対抗戦、米空軍アクロバットチームの来基を計画しています。

 そこで、基地司令の立場にある私としては、今年を米軍との交流年、「イクスチェンジ・イヤー」と称し、米軍との信頼醸成を図る中で、共同能力の向上、隊員の士気高揚、そして地域との共生、近隣市町村の活性化に一役買えればと考えているところです

千歳の天気の変化には要注意!:平成21年2月3日(火)

 戦闘機の飛行訓練に当たって、千歳気象隊のみならず基地内の関係部署は事前の気象状況には日頃から十分に配慮しています。
 
 それでも戦闘機が離陸した後に、基地上空の気象が一変することがあって状況によっては安全な着陸のために他の基地等に向かわなければならない判断が必要となります。

 先日、戦闘機が編隊での離陸後、予報にはなかった風雪が激しくなりしばらく上空で待機させる状態が生起。
 その間、二十数分。雪雲が通過し無事に戦闘機は着陸しましたが個人的には強い緊張感を感じていました。

 もちろん、滑走路面の確認、残燃料の換算、代替飛行場の確保等、安全のための確認をしっかりとっているので運航上の問題はありません。
 ただし、この件では気象というものが如何に短い時間の中で目まぐるしく変化するものだと言うことを思い知らされ、航空団の指揮官としての重責を再確認した次第です。

部下の英語力に感心、刺激され・・・:平成21年2月5日(木)

 航空自衛隊の英語弁論大会が三沢基地で開催。私も部下の激励と応援のために会場入りしました。結果は、残念ながら当団からの入賞者はありませんでした。

 しかし、部下はもちろんのこと他部隊の選手が持つ英語能力の高さにはとても感心させられました。
 我が身を振り返ってみますと、昨年末TOEICを十年ぶりに受験したのですが、点数はかなりダウン。おかげで空自内での級付けがひとつ下がってしまったぐらいです。
 
 今回の部下等の実力を目の当たりにして、今一度英語力の向上に努めることにしました。

団のノルディック競技を今年も開催:平成21年2月13日(金)

 大会の開催にあたって「勝利を目指し、各員の奮闘を期待する」と訓辞。昨年の同大会では目の前の激走にただただ感激。

 今年はレース展開をつぶさに見ていて新たに感じるものがありました。すでに入賞チームが明らかになっているレース状況にもかかわらず、遅れをとっている選手の一人一人から、わずかでもタイム短縮をという思いが強く伝わってくるのです。

 また選手に対する同僚の心温かい思いやりが感じられるのです。寒風の中でも、私はとても頼れる集団と共に居心地の良い思いをしました。

 表彰式後、大会の閉会にあたって「勝者は称えられるもの、決して驕らず昂ぶらず、日々さらなる精進を期すべき。敗者は落胆するも、決して意気消沈せず、捲土重来を期すべし」と訓辞して締めくくりました。

 ちなみに、私は、第一走者15人中後ろから3番目で全くチームの勝利に貢献できず、落胆です。

米軍三沢基地との下士官交流始まる!:平成21年2月13日(金)

 昨年から基地の准曹士先任達が主体となって入念に計画してきた「米軍との下士官交流」が実現。
 私はノルディック競技会場で初顔合わせ、その後表敬を受けて関係者一同と記念撮影。

 この日の夕刻、基地クラブで行われたウェルカム・パーティに出席。基地司令として、この企画の主旨、今後の方向性などを交えて歓迎の挨拶をきちっと行った後は、パーティの盛り上げに専念した次第です。

 彼等と話してわかったこと。それは、彼らも日米共同上、こうした人的交流を強く望んでいること、そして空自が幹部と曹士の信頼関係を大切にしているのと同様に、彼らも平素から士官との信頼醸成を重視していることです。

 米軍は激しい階級社会だとばかり思っていたので認識をあらためました。

撤収業務に従事した隊員諸官、お帰りなさい(出迎え時の言葉から):平成21年2月15日(日)

 「まずは、イラク復興支援活動撤収業務隊の一員であった貴方達が全員無事にこの北海道に帰ってきてくれたことを、道に所在する空自部隊を代表して、あらためて心から歓迎します。

 作戦又は事態たるものの中で難しいと言われる撤収又は収拾の業務、いわゆる幕引きの難儀な業務を適切に行ったことを称えたいと思います。

 現地において、その任務を全うしてきた貴方達を、私達はとても誇りに思います。
 この後しばらく心身共に寛いだならば、また私達と一緒に北海道の大空の守りという崇高な任務を果たしていきましょう。」

見事に補修された雪像:平成21年2月16日(月)

 今年も基地内にOB会の支援を受け、“名物”雪像(5.4㍍X3.6㍍)が12日に完成(写真①を参照)。

 ところが、この時期としては大変珍しく気温が高くなったことと、比較的長めの降雨により、雪像は全壊の危機に見舞われました。

 しかし、週末にもかかわらず、昼夜を問わず広報の隊員とOBのボランティア作業により、ほぼ完全復活(写真②を参照)しました。

 この雪像は、この時期の基地のシンボル的存在。しかも基地勤務者の士気高揚に貢献したり、研修中の米軍人や一般来訪者に対する基地の威容を示すものなのです。
 人知れず補修にかかわってくれた皆さんに心から感謝します!

部下の機転で基地行事に穴を開けずにすみました:平成21年2月23日(月)

 防府南基地(山口県)で開催された航空自衛隊・徒手格闘大会の応援を終えた千歳への帰り(20日)のことです。

 天候不順のため自衛隊機の利用ができなくなったことから、早い段階で、私は20日の午後に民航機利用で新千歳まで戻るという代替え案を選択していました。

 この際、司令部の幕僚(部下)が北海道・東北地方の大雪予報をキャッチした直後に、予定した午後の便を午前の一番早い便に変更することを提言してくれました。

 このことが幸いして、新千歳空港が大雪で閉鎖になる直前に何とか同空港に着陸することができ、その日の夕方の部外講演と週末の大事な基地行事を無事終えることができました。

 部下の状況判断と先行手配に感謝したのは言うまでもありません。

不覚にも風邪を引いてしまって・・・:平成21年2月27日(金)

 着任して1年半。この間、私自身は大きく体調を崩すようなこともなく隊務を遂行してきました。

 しかし、先週、空自・徒手格闘大会の応援で防府へ出張した際、本格的(?)に風邪を引いてしまいました。早期受診、早めの就寝等、治療に努めましたが、結果として回復には1週間かかりました。
 この間、公務に支障を来すことはなかったのですが、部下隊員に気遣いをさせてしまいました。

 平素から明るい職場、楽しい勤務を要望している自らが、眉間にしわを寄せ、大型マスクをかけていては・・・、と猛省です。あらためて健康管理を痛感!

ついに勝利の記録が途切れてしまいます(基地朝礼より):平成21年3月2日(月)

 この基地の厚生センター・1階に、「勝利の森」というスペースがあります。
 平成11年度の航空自衛隊持続走大会で2空団が優勝したことをきっかけに設置されたものです。
 その後、毎年度所在部隊が全国レベルでの各種競技会や大会で優勝を果たす度にここに記念パネルを掲げてきています。

 しかしながら、今年度は初回の平成11年度から起算してちょうど10年の節目の年にもかかわらず、現時点では優勝タイトルが獲得できず無冠のままで、極めて残念な結果となっています。

 勝利は、個人のみならず部隊や基地に活気を呼び込みます。自信につながります。より一層のやる気を与えるものであります。
 こうした現実を直視して、来たる各種競技会、大会等に向けて組織として、個人として練成に励んでいきましょう。

 「なせばなる」、やはり最後は個々人の努力の積み重ねです。あらためて千歳基地・「勝利の森」の育成に基地所在部隊一丸となって取り組みましょう。

今年度を締め括ろう!(2空団朝礼より):平成21年3月2日(月)

 「年度の諸計画」という言葉を聞いたことがあると思います。官公庁等では、単年度予算であるために、関連する計画の多くが一年という期間を対象に作成されているようです。

 2空団にあっても、練成訓練、業務などの各計画は年度で作成しています。理屈の上では、年度の最終月が各種計画の集大成の時期となるので、2空団の保有する能力が最も充実している時期に当たるわけです。

 したがって、年明けの英語弁論大会や徒手格闘大会では今一歩のところで優勝を逃がしましたが、3月は訓練、服務及び安全の各分野では有終の美を飾りたいと思います。
 このことは来年度当初からの人的戦力造成をはじめとするスタートダッシュにつながると私は確信しています。

自衛隊入隊予定者激励会において:平成21年3月6日(金)

 今年も、この春自衛隊入隊予定者を激励する会合へ苫小牧(4日)、千歳(6日)に新しく入隊した隊員を教育指導する区隊長という職についていたことがあります。

 新隊員教育では、自衛隊のどの部隊で勤務しても、いずれの仕事についてもいいように自衛官としての基本的な知識や技能、そして基礎体力を身につけ、また社会人としての一般的なマナーを修得することになります。

 入隊当初は個人差があるのは当然ですが、区隊長とこれを補佐する優秀な若い隊員が親身に教育指導するにあたることから、無理なくみるみる間に新隊員は気力・体力・知力が充実していきます。こうして個人の能力が一段と伸展し、我が国の安全保障を担い、また国際貢献を果たす立派な自衛官として育成していくことになるわけです。

 ですから、ご父兄におかれましては、入隊以降もご子弟を激励しつつ、成長を暖かく見守っていただきたいと思います。
 国民の信頼を確保し、我が国の安全保障という崇高な使命を果たす自衛隊に、必ずや入隊してよかった、入隊させて間違いではなかったと得心していただけることを期待します。
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